皆さまこんにちは。MH Packagingの北村です。
本日は、多くの方が一度は直面したことがあるであろう「インキの逆トラッピングの1種、後刷りインキ濁り」についてお話させていただきます。
・逆トラッピングの一種の後刷りインキ濁り: 後刷りで印刷されるインキが、先刷りインキによって濁る現象を指します。これはウェットトラッピングにおいて、インキのタックや盛り量に起因する問題です。逆トラッピングやトラッピング不良は、主にウェットトラッピングにおいて発生し、後刷りされるインキの転移が不十分になる現象です。
・インキのタックについて: 通常、プロセスインキは印刷順に応じてタックが調整されており、適切なタックバランスが必要です。しかし、助剤の過剰な使用や過乳化によりタックが低下すると、このバランスが崩れ、後刷りで先刷りインキ取られが発生することがあります。
・補足:特色インキを作成する場合、主となるインキに影響を受けやすいことに注意が必要です。
先刷りインキの盛り過ぎ等、インキの盛り量が過剰になると、インキのセットが遅れ、トラッピング不良や逆トラッピングが発生しやすくなります。特に墨インキは、ある一定の濃度に達すると、視覚的に黒く見えるだけで、濃度の上昇を判定しにくくなるため、盛り過ぎに気づきにくいことがあります。このため、墨インキの濃度管理には濃度計などを用いることが重要です。
もし、墨インキ自体の濃度が不足しており、濃度確保のために盛り量を増やさなければならない場合は、濃度の高いインキ(コンクタイプ)に変更するか、UVやLEDの場合はインターデッキを併用して乾燥を促すなどの方法を検討してみてください。