はじめに
オフセット印刷において「版」は、絵柄を紙に正しく転写するための重要な役割を担います。本記事では、版の作り方と種類、そしてCTP(Computer to Plate)の工程について紹介します。
版の役割
印刷版は、インキが付く画像部分と、インキをはじく非画像部分で構成されています。この構造によって、絵柄が正確に紙へ印刷されます。
CTP(Computer to Plate)の工程
CTPは、デジタルデータから直接印刷版を作成する技術です。
- データ入稿
- RIP処理(データ変換)
- 版へのレーザー描画
- 現像・仕上げ
従来のフィルムを使った製版よりも工程が少なく、精度も高いのが特徴です。
版材の種類
- PS版(プリント版):アルミ板が主流、耐刷力が高い
- 水なし版:水を使わずに印刷でき、環境負荷が少ない
- UV対応版:UVインキ用に設計された耐刷性の高い版
- 無処理版:刷版工程で現像を行わず印刷機上で水現像を行う環境型の版
まとめ
CTPの普及により、版作りはスピードと精度が大幅に向上しました。適切な版材を選ぶことで、印刷品質やコスト効率が変わります。
次回予告:第3回では、オフセット印刷で使うインキの種類と選び方を解説します。
→ 第3回:オフセット印刷用インキの種類と特徴
→ 第1回:オフセット印刷とは?仕組みと他方式との違い