はじめに
印刷においては、モニタ、スキャナー、デジカメ、プリンタ、 印刷機など異なる機器を使用しますが、最終的には適正な色調が印刷紙面に再現されなければなりません。
この機器間(入力~出力)における一貫した色の管理と維持のことをカラーマネジメントシステム(Color Management System)と呼びます。
ただ単純に色を合わせるだけの場合は「カラーマッチング」と呼び管理・維持とは異なります。
本記事では、オフセット印刷での色管理の基本を解説します。
色の再現原理
印刷工程のDTP化とデジタル化によって、印刷物のデザイン、制作段階ではモニタやプリンタやDDCP(Digital Direct Color Proofer)で色を見ることが多くなっています。
モニタは加色法の3原色(赤、緑、青紫(RGB))で色を再現しています。
プリンタやDDCPは印刷物と同様に藍、紅、黄、墨(CMYK)で色を表現していますが、インキ、発色方式、用紙が異なります。これらの理由で印刷物の色とモニタやプリンタやDDCP上の色とは一致しません。そこでこのモニタとプリンタやDDCPを極力印刷物の色と一致させるようにした仕組みが色管理CMS(Color Management System)といいます。
印刷物、DDCP、プリンタ、モニタなどで色を再現できる範囲をガモット(色再現域)と呼んでいますが、印刷物のガモットはモニタのガモットより狭いので、モニタで表示されていても印刷物では再現できない色があります。
そのため両者の色を極力近づけようとする色管理CMSが必要となります。
カラープロファイルの活用
推奨プロファイル(例:Japan Color 2001 Coatedなど)を使うことで、データと印刷物の色の差を最小限に抑えられます。
色校正の重要性
本刷り前に「本機校正」や「簡易校正」を行い、色味を確認します。特にブランドカラーや写真重視の案件では必須です。
まとめ
色管理は、完成品の品質を大きく左右する工程です。適切なプロファイル設定と校正を行うことで、色ブレを防げます。