MH Packaging Inc.
トラッピング

皆さまこんにちは。MH Packagingの北村です。

本日は後方ユニットYインキが前方のBやCインキで濁ってくるトラブルについてお話させていただきます。

ウェットトラッピングでインキのタックやインキの盛り量のトラブル【逆トラッピング】です。

逆トラッピング、トラッピング不良は主にウェットトラッピングにおいて発生し、後刷りインキの転移が不十分になる現象です。通常プロセスインキのインキタックは、刷り順に応じてタック調整がされている組み合わせとなっています。これをタックバランスといい、このバランスに注意が必要です。また、助剤の入れすぎや過乳化などでタックが低下すると、タックバランスがくずれて後胴でインキとられなどが発生します。

※プロセスインキのタック値(例)

POINT:特色インキ作成の場合は主量となるインキに影響されます。

先刷りインキの盛り量が多過ぎると、インキのセットが遅くなるためトラッピング不良、逆トラッピングが起こりやすくなります。濃度があるインキ、特に墨インキはある一定の濃度、盛り量に達すると目視確認では墨(黒)に見えるだけで、濃度上昇を判定しづらくなります。=盛り過ぎに気付かない。そのため濃度があるインキ、特に墨インキは濃度計などで盛り量管理(濃度管理)が重要です。墨インキ自体の濃度不足により、濃度確保のため盛り量を上げて印刷しなければならない場合は濃度のあるインキタイプ(コンク)に変更もしくは、インターデッキを併用して乾燥させて印刷を行うなどの方法をお試しください。

 

刷色合わせのコツ①インキ呼び出し回数

皆さまこんにちは。MH Packaging の北村です。

印刷現場において、刷色の安定化は多くの方が抱える課題ではないでしょうか。そこで本日は、今回は刷色の安定化のコツのひとつ「インキ呼び出し回数設定」についてお話ししたいと思います。

インキ呼び出し回数は通常「1:3」

一般的に、インキ呼び出し回数は「1:3」に設定されています。これは、3枚の印刷ごと(版胴が3回転するごとに)インキ呼び出しローラーがインキ元ローラーからインキを取り出すという意味です。

たとえば、試刷り作業でインキスライダー(盛り量)を調整しながら、30枚の用紙を数回印刷する場合、30枚の印刷中にインキが元ローラーから呼び出される回数はおよそ10回です。

呼び出されたインキが十数本のローラーを経由し、版面に到達するまで(=「自分がスライダーを調整した結果」が反映され始めるまで)には一定の時間がかかります。具体的には、インキスライダーの調整結果が実際に反映され始めるまでには、約100枚の印刷が必要だと言われています。

これをイメージすると、刷色の安定には最低でも100枚以上の印刷が必要だと考えられます。

特に、極小の絵柄においては、インキ量のコントロール、すなわち刷色の安定を図るのはインキスライダーだけでは難しい場合があります。これは「インキ調整幅」が狭いため、濃度調整や安定化がより困難になるためです。

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後刷りインキ濁り

皆さまこんにちは。MH Packagingの北村です。

本日は、多くの方が一度は直面したことがあるであろう「インキの逆トラッピングの1種、後刷りインキ濁り」についてお話させていただきます。

・逆トラッピングの一種の後刷りインキ濁り: 後刷りで印刷されるインキが、先刷りインキによって濁る現象を指します。これはウェットトラッピングにおいて、インキのタックや盛り量に起因する問題です。逆トラッピングやトラッピング不良は、主にウェットトラッピングにおいて発生し、後刷りされるインキの転移が不十分になる現象です。

・インキのタックについて: 通常、プロセスインキは印刷順に応じてタックが調整されており、適切なタックバランスが必要です。しかし、助剤の過剰な使用や過乳化によりタックが低下すると、このバランスが崩れ、後刷りで先刷りインキ取られが発生することがあります。

・補足:特色インキを作成する場合、主となるインキに影響を受けやすいことに注意が必要です。

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