刷色合わせのコツ①インキ呼び出し回数

皆さまこんにちは。MH Packaging の北村です。

印刷現場において、刷色の安定化は多くの方が抱える課題ではないでしょうか。そこで本日は、今回は刷色の安定化のコツのひとつ「インキ呼び出し回数設定」についてお話ししたいと思います。

インキ呼び出し回数は通常「1:3」

一般的に、インキ呼び出し回数は「1:3」に設定されています。これは、3枚の印刷ごと(版胴が3回転するごとに)インキ呼び出しローラーがインキ元ローラーからインキを取り出すという意味です。

たとえば、試刷り作業でインキスライダー(盛り量)を調整しながら、30枚の用紙を数回印刷する場合、30枚の印刷中にインキが元ローラーから呼び出される回数はおよそ10回です。

呼び出されたインキが十数本のローラーを経由し、版面に到達するまで(=「自分がスライダーを調整した結果」が反映され始めるまで)には一定の時間がかかります。具体的には、インキスライダーの調整結果が実際に反映され始めるまでには、約100枚の印刷が必要だと言われています。

これをイメージすると、刷色の安定には最低でも100枚以上の印刷が必要だと考えられます。

特に、極小の絵柄においては、インキ量のコントロール、すなわち刷色の安定を図るのはインキスライダーだけでは難しい場合があります。これは「インキ調整幅」が狭いため、濃度調整や安定化がより困難になるためです。

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